【三菱電機】窓を開けたくない寒い冬に…　レンジフードファンを活用した効率的な換気方法を紹介

　新しい生活様式が浸透し、関心が高くなっている換気。近年の住宅は、高気密化に伴う換気量確保の目的で「24時間換気システム」※1という設備が導入されています。これは、換気によって居住空間の空気を常時入れ替え、新鮮でキレイな空気の状態を維持する設備のことです。厚生労働省の推奨する換気対策としては、「24時間換気システム」などの換気機器を使用することで、日常生活で必要な換気量は確保できるそうです。※2しかし年末年始など、人が集まることが多い場合はより換気をしたい人も多いはず。

　そこで、三菱電機では、人が集まることが多い年末年始に向けて、寒い冬に窓を開けなくても、一般的な住宅の「24時間換気システム」と台所（キッチン）にあるレンジフードファンを使って効率的に換気ができるか実験を行いました。その結果、レンジフードファンを上手く使うことで、「24時間換気システム」のみの場合と比べて、リビングにおいて3倍以上の換気量を確保できることがわかりました。実験結果とともに、その換気方法をご紹介します。

※1 「24時間換気システム」：2003年の建築基準法の改正で導入が義務化され、急速に普及した、室内の空気の入れ替えが行える換気設備。
※2 引用 厚生労働省「新型コロナウイルスに関するQ&A（一般の方向け）１．政府の方針 問6」より。 URL

1.寒い冬は、台所（キッチン）の「レンジフードファン」を使って換気量アップ！

　三菱電機では、同じ建物内において、窓を閉め、「24時間換気システム」による換気を行ったうえで、①「レンジフードファンの弱運転を行った場合」と、②「行わなかった場合」における換気量を比較して測定しました。※その結果、①「レンジフードファンの弱運転を行った場合」は、「24時間換気システム」のみの場合と比べて、リビングにおいて3倍以上の換気量を確保できることがわかりました。

※ 実験を行った換気量を計測するセンサーがある1階のリビングダイニングの広さは12畳。
※ リビングダイニングとキッチンの間の扉のない当社社内試験用住宅において。

＜プチコラム＞レンジフードファンを強で運転すれば早く換気できる？

　今回、レンジフードファンの強運転でも試験を実施しましたが、強だと換気量が過剰になってしまう恐れがあり、室温が変化する可能性があります。よって、電気代や運転音なども考慮すると、弱運転で十分と言えます。（注意点：「レンジフードファン」の活用は常時ではなく、あくまで人が集まることが多い時間帯やシーンでのみ推奨）

＜今回の実験で使用した住宅の間取り図。「24時間換気システム」とレンジフードファンの配置＞

１階と２階のドアを全て閉め、「24時間換気システム」を稼働中にレンジフードファンの弱運転を行った。

2.換気量と合わせて必要なのは、室内の「空気のよどみの解消」！

　上記で換気量を確保するための方法をご紹介しましたが、空気は目に見えないので、しっかり室内全体の空気が入れ替えできたのかどうかはわかりません。部屋の形や家具の形状により、局所的に空気が溜まり、せっかく換気量を確保しても汚れた空気が室内に残っている可能性があります。それを解決するには扇風機やサーキュレーターなどを活用して室内の空気を攪拌（かくはん）させ、効率的な換気を実現するための「空気のよどみの解消」を行うことも重要です。

　「換気」と室内の「空気のよどみの解消」の関係について、北海道大学大学院工学研究院建築都市部門教授の工学博士　林　基哉先生に説明していただきます。