ゾエティス・ジャパン株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:加藤 克利)は、猫の変形性関節症(以下OA)に伴う疼痛の緩和を目的とした動物用医薬品「ソレンシア」を2023年2月20日(月)販売開始いたします。「ソレンシア」は、2022年7月に国内製造販売承認を取得・発表して以降、獣医師、動物医療関係者、ペットオーナーから期待の声をいただいており、満を持しての販売です。
※使用には獣医師の処方が必要です。
猫の変形性関節症治療薬として、世界初*4・唯一の抗NGFモノクローナル抗体製剤 / 「ソレンシア」国内販売とその背景
「ソレンシア」は、猫の変形性関節症(OA)の痛みにアプローチするものとして、世界初*4・唯一の抗NGFモノクローナル抗体製剤です。OAは、関節の正常な軟骨組織が薄くなることで起こる関節の変性状態で、猫(1歳以上*1)の約74%*2がOAの痛みの徴候を示しています。しかし、従来の治療における長期的な薬剤使用は、副作用が課題となる場面も想定されることから、十分な治療がおこなえていませんでした。そのような中、「ソレンシア」は、注射による投与で経口薬と比べて飼主様の負担を減らし、継続的にOAの痛みを緩和できる新たな治療薬として開発されました。すでに販売されている欧州各国では既存の痛み緩和薬よりも高い評価を得ています。
米国においても2022年10月より「ソレンシア」による治療が増加中であり、今後猫の疼痛市場は拡大していくと予想されます。猫の痛みに対する社会的関心の高まりを現す一例として、「ソレンシア」は2022年度コンパニオンアニマルの新製品を表彰するBEST NEW COMPANION ANIMAL PRODUCT AWARD(主催 Harkit Connect)を受賞しました。今後「ソレンシア」は、国内においてもブロックバスター(画期的な薬効を有する新薬)として市場拡大に貢献して参ります。
猫の変形性関節症治療薬「ソレンシア」について
「ソレンシア」は猫の変形性関節症(OA)治療薬として、世界初*4・唯一の抗NGFモノクローナル抗体製剤です。NGF(神経成長因子)は慢性疼痛に関与するとされ、本剤はNGFと結合することにより、NGFが関与する疼痛シグナルの伝達を妨げ、OAに伴う疼痛を緩和します。モノクローナル抗体製剤は、従来OA疼痛緩和に使用されてきた非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDs)と異なる作用機序により、猫の肝臓、腎臓、消化器への負担を最小限に抑える治療薬です。
猫の変形性関節症の現状
現在日本では、約883万7千頭*5の猫が飼育されており、そのうち1歳以上*1で約74%*2、12歳超で90%*6の猫が変形性関節症(OA)の痛みの徴候を示していると報告されています。OAは一般的な疾患でありながらも、治療率は約2%*3にとどまっていること、さらには飼主様の約70%が猫のOAという疾患自体を知らなかったことが、弊社の調査で明らかになりました。弊社は、「猫の変形性関節症(OA)/痛みチェックリスト」の配布や、啓発サイトの公開(2023年3月中旬頃公開予定)等の積極的な啓発活動を通じて、猫の飼主様がOAについて理解を深められる機会を創造してまいります。
飼主様の約70%が猫に関節疾患があることを「知らなかった」と回答。飼主様が猫のOAに気づきにくい理由として、猫が高齢になったために活動量が減ったとの考えや、もともとの性格からあまり動かないと考える傾向が要因となっています。
※猫の飼主様を対象としたオンライン調査、n=800、2022年9月ゾエティス・ジャパン㈱調べ、マイボイスコム㈱実施
猫専門医 服部幸 先生より コメント
<プロフィール>
服部幸(はっとり ゆき)
獣医師。猫専門病院「東京猫医療センター」院長。北里大学卒業後2年半の動物病院勤務を経てSyuSyu CAT Clinic院長に。2012年東京猫医療センターを開院。2014年JSFM(ねこ医学会)理事に就任、東京や大阪、名古屋などで様々なセミナー講演をおこなっている。
日々の治療を通して、猫の変形性関節症(OA)治療の難しさを痛感することが多くあります。まず、猫のOAは発見が難しい病気です。OAの主訴が必ずしも「跛行(はこう)」を示すとは限らないからです。例えば、左右の足に同じ程度のOAが発症していると「跛行」ではなく、「元気消失」「運動低下」といった一般的な症状や、「毛繕いや爪研ぎをしなくなった」といった加齢性変化として認識される症状しか示さないことも多いのです。次に、診断後の治療においても厄介です。なぜなら、OAを罹患しやすい高齢猫は慢性腎臓病(CKD)に罹患していることが多く、OA治療薬の一つである非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDs)を使用しにくいためです。さらに経口剤の投与や関節サプリメントの給与を毎日行うことは、猫や猫のご家族にとっても負担となります。そのような中、CKD症例に使いやすく、月1回の皮下注射でOAの疼痛管理ができる抗NGF抗体薬(ソレンシア)は、OA治療に革命を起こしています。近い未来、この薬がOAで苦しむ猫にとっての救世主になることを期待しています。
ゾエティス・ジャパン 代表取締役社長 加藤克利コメント
ゾエティス・ジャパンでは、猫の変形性関節症(OA)に伴う痛みの治療薬である「ソレンシア」をいよいよ2023年2月20日(月)から販売開始いたします。「ソレンシア」は欧州各国では2021年から販売されており、その画期性が高く評価され、2022年のBEST NEW COMPANION ANIMAL PRODUCT AWARD(伴侶動物製品最高賞. IHS Markit Connect)を受賞いたしました。国内製造販売承認を取得した2022年7月以降、獣医師を中心に多くの期待の声がよせられています。いよいよ日本において販売開始できることを大変嬉しく思います。日本でも多くの猫がOAで苦しんでいるものの、その治療率は約2%*3と大変低く、また飼主様が気づくことが難しいことから診断に至らず、猫が痛みを抱えたまま放置されているケースが多々あるというのが現状です。ゾエティス・ジャパンは猫のOA治療薬を提供するだけではなく、獣医師の診断に役立つソリューションを提供してまいります。また、飼主様に対し、猫の日常動作の変化から痛みに気づくことができるよう、有用なツールを開発し、OA疾患啓発活動に取り組んでまいります。2023年内には犬のOAに伴う痛みの革新的治療薬である「リブレラ」の国内販売も予定しております。動物医薬品業界のリーダーとしてさらに社会に貢献できるよう、引き続き全社一丸となって取り組んでまいります。
製品情報
製品名:ソレンシア
製品特徴:猫の変形性関節症に伴う疼痛の緩和。1ヵ月に1回皮下投与。
提供ルート(販路):動物病院への販売
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