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  • 【三菱電機】高齢者にエアコンをつけてもらうための3つの意識改革などを解説

  • 2022/06/28 0:00 公開  編集部
  • 毎年、夏になると気をつけたい熱中症。総務省の発表によると、昨年度熱中症により緊急搬送された方の半数以上が高齢者でした。熱中症発生場所は、「住居」が3割以上を占めます※1。そんな中、環境省と気象庁では、熱中症になるリスクを、予想気温・予想湿度・予想日射量などから割り出して、一定以上のリスクがあると判断された場合に警報を発令する「熱中症警戒アラート」を令和3年より運用を行って熱中症に対する注意を呼び掛けています※2。また、気象庁によると、夏にかけて「ラニーニャ現象」が続く可能性が高く、今年の夏の気温は全国的に平年より高い予報です※3。過去ラニーニャ現象が発生した夏は記録的な猛暑となった年があるため、今年の夏も暑さに注意が必要です。

    熱中症対策の1つとしてエアコンの使用が推奨されていますが、様々な理由からエアコンをつけない高齢者がいるのも事実です。今回、三菱電機 霧ヶ峰PR事務局では、高齢の親を持つ子ども世代を対象(東京・大阪在住の男女600名)に、親のエアコンの使用状況に関する調査を実施しました。調査によると、夏場、積極的にエアコンを使用していない高齢者が1割以上いることが分かりました。そこで、主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)の寺岡純子さんにお話を伺い、なかなかエアコンをつけない高齢の親への意識改革と、エアコンをつけてもらうための具体的なコミュニケーション方法についてご紹介いただきます。

    ※1 引用 総務省消防庁報道資料より:リンク
    ※2 引用 環境省熱中症予防サイトより:リンク
    ※3 引用 気象庁全国の季節予報より:リンク

    【三菱電機】高齢者にエアコンをつけてもらうための3つの意識改革などを解説

    1.親にエアコンを使うように促しても使用せず、悩んでいる人は6割以上!

    調査によると、夏場、積極的にエアコンを使用していない高齢者が13.0%(グラフ1)と、熱中症対策が叫ばれる中、いまだにエアコンを使用したがらない高齢者が一定数いることが分かりました。その中で、夏場にエアコンを使用しない高齢の親に、「使うように促したことがある」人は74.4%(グラフ2)でした。しかし、促したにも関わらず、「親が夏にエアコンをつけたがらず、悩んでいる」人が63.8%(グラフ3)という結果になりました。高齢者がエアコンを使用したがらないと思われる理由としては、「節電、 電気代がもったいないから」が33.3%と生活に直結する回答が1位でしたが、「エアコンを使用するほど暑くないから」29.5%や、「エアコンは寒いから」28.2%など、そもそも「暑いと感じていない」と思われることもわかりました。また、「エアコンは体に悪いから」26.9%など、エアコンを使用すること自体にネガティブなイメージを持たれている方や、「昔はエアコンを使っていなかったから」9.0%(グラフ4)と、過去のイメージをそのまま持たれているような回答も見られました。一方で、「ご両親が、夏場エアコンをつけず自宅で過ごしているときに、具合が悪くなったことはある」と答えた方が10.8%(グラフ5)と、10人に1人がエアコンをつけていなかったために体調を崩していたことがわかりました。

    【三菱電機】高齢者にエアコンをつけてもらうための3つの意識改革などを解説

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    【三菱電機】高齢者にエアコンをつけてもらうための3つの意識改革などを解説

    【三菱電機】高齢者にエアコンをつけてもらうための3つの意識改革などを解説

    主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)の寺岡純子さんも、高齢者のご家族と接する中で「高齢の親が夏にエアコンをつけたがらず困っている」という話をよく聞くそうです。また、高齢者は経験や思い込みから、これまでの習慣や考え方を変えるのは容易ではなく、昔からよく聞く「エアコンは身体に悪い」という話を信じている方も多く見られるそうです。

    【三菱電機】高齢者にエアコンをつけてもらうための3つの意識改革などを解説

    上記の結果を受けて、日々現場でご活躍されている寺岡さんに、高齢者がエアコンをつけたがらない理由や、エアコンをつけてもらうための具体的なコミュニケーション方法などについて伺いました。


    2.高齢の親がエアコンを使わないのは、感覚や身体機能の低下が原因!?

    寺岡さんによると、高齢の親がエアコンをつけたがらない理由は、老化によって皮膚の感覚や内臓の機能が低下しているため、暑さを感じづらくなっていることが原因で、現場では暑い中でも平然と過ごされている高齢者も多いとのことです。


    【寺岡さん体験談】
    エアコンをつけずに在宅されている高齢者のご自宅を訪問させていただくと、高齢者の方が「暑かったでしょう。」と声をかけてくださりつつ、エアコンをつける場面によく遭遇します。つまり、暑い時にはエアコンをつけたほうがよいのはわかっているが、自分は暑さを感じていないということがわかります。このような場合、訪問時の室温や脱水の兆候がないかのチェックは欠かせません。高齢になると暑さを感じる感覚が鈍くなるため、「暑くない」と言っていても、しっとり汗をかいている場合や気温に合わない服装をしていることがあります。また、内臓の機能が低下していると体温の調節が上手くできないこともあります。すると、脱水に陥りやすく熱中症に移行しやすくなるため注意が必要です。高齢者が自らそのことに気付き、適切にエアコンを使用できるようになることが望ましいのですが、周囲の人が気にかけていることを分かってもらうこともエアコンをつけてもらう働きかけのひとつではないでしょうか。

    3.主任ケアマネジャーが教える!エアコンをつけてもらうための「3つの意識改革」

    寺岡さんによると、「高齢者の方ご自身に“エアコンをつけることが重要である”ということを、正しく理解してもらうことが重要」なのだそうです。そのためには、ご家族など周囲の方のサポートも大変重要です。まずは、高齢者にエアコンをつけてもらうための「3つの意識改革」について、寺岡さんにご紹介頂きます。


    ①「環境の変化」への理解 ~昔と違い、今は気温が上がっていることを理解してもらう~

     気象庁によると、東京では年間の平均気温が100年あたり3.3度上がっています※4。特に上がっているのが最低気温で4.5度、最高気温は1.9度上がっています。
     ※4 引用 気象庁 気候変動監視レポート2021 p52より:リンク

    ②「感覚の衰え」への理解 ~高齢者自身に暑さを感じにくくなっていることを理解してもらう~

     通常は、外気温の上昇に伴って体温が上がれば、体が暑いと感じて汗をかくなど、体温を下げようとする機能が自然と働きます。しかし、高齢者はこのような体温調節機能が低下してしまい、体温が上昇していたとしてもうまく体が対応できず、体温を下げることが難しくなる方が多いのです。

    ③「電気代」への理解 ~エアコンはつけ始めに一番電力を消費することを理解してもらう~

     つけ始めが一番電力を消費するということを知らず、「つけっぱなしにしていると電気代がもったいない」と考えている高齢者もいます。下記の三菱電機の実験結果の通り、エアコンはつけ始めた時が最も消費電力が高くなっていることがわかります。また、「入り切り」を繰り返すような場合、すぐに室温が上がり熱中症のリスクも増加してしまいます。


    「入り切り」と「つけっぱなし」の電気代はほぼ変わらないという結果に!在室中は「エアコンをつけっぱなしで室温を一定」に保ちましょう。(2時間つけっぱなしの場合/途中30分停止した場合で比較)
    三菱電機では、エアコンを「入り切り」と「つけっぱなし」にした場合で、消費電力と室温の変化について実験しました。以下グラフのように、「入り切り」した場合と「つけっぱなし」の場合を比較すると、積算消費電力量は、「つけっぱなし」が492Wh、「入り切り」が522Whとなりました(図①※冷房運転安定時からの1時間30分で計算)。電気代に換算すると「つけっぱなし」と「入り切り」の差が0.81円※(電気料金目安単価27円/kWhにて計算)とほぼ変わらない結果となりました。途中で30分間運転を停止した「入り切り」では、運転再開時に一気に消費電力が上昇したため、最終的に「つけっぱなし」と電気代があまり変わりませんでした。さらに「入り切り」では、エアコンを切ってから約30分で室温が3℃以上※も上昇し(図②)、熱中症のリスクも増加することとなりました。※電気代や室温の上昇度合いは、お住まいの地域やお部屋の環境、ご使用条件等により変わります。

    <冷房運転時、“つけっぱなしにした場合(水色)“と“30分間運転を停止した場合(入り切り)(赤色)”の「消費電力」(図①)と「室温変化」(図②)>

    【三菱電機】高齢者にエアコンをつけてもらうための3つの意識改革などを解説

    【三菱電機】高齢者にエアコンをつけてもらうための3つの意識改革などを解説

    MSZ-ZW403S。三菱電機㈱環境試験室(14畳)外気温35℃、設定温度27℃、風速「自動」において、冷房運転安定時から1時間30分、「つけっぱなし」(水色)と途中で30分間運転を停止した「入り切り」(赤色)した際の消費電力量(図①)と室温(図②)の変化です。さらにエアコンは、日々の研究開発により性能の改善を行っているため、省エネ性能が向上しており、ご使用年数が長い場合、エアコンを買い替えることで電気代を抑えられる場合があります。こちらの環境省のサイトでシミュレーションができます。


    4.主任ケアマネジャーが教える!高齢者にエアコンをつけてもらうための具体的な「3つのコミュニケーション方法」

    次に、高齢者にエアコンをつけてもらうための具体的な「3つのコミュニケーション方法」について、寺岡さんにご紹介頂きます。


    ①視覚的に!⇒デジタル温度計&注意書きを目につくところに設置し、家族で室温を気にする習慣をつける

     冷蔵庫やテレビなどよく使用する場所などに、デジタル温度計を設置し、「室温28度以下」、「エアコンはつけたままにする」などの注意事項を書いて目につくところに貼っておけば、高齢者が視覚的に理解しやすくなります。これにより、自分の感覚よりも室温が高くなっていること、また気温が35度を超える日が多くあり、昔と違い気温が上がっている事に気がつきます。家族との日常生活でも室温を確認する習慣をつけましょう。

    【三菱電機】高齢者にエアコンをつけてもらうための3つの意識改革などを解説

    ②繰り返し!⇒「エアコンはつけ始めに電気代がかかるから、つけっぱなしでいいんだよ」と周囲の人から何度も伝える

     高齢者の意識を変えることは簡単なことではなく、周囲の人たちが繰り返し伝えていくことが大切です。言ってもすぐに変わらないからといって、相手を責めると意固地になって逆効果になることがあります。具体的に今回の実験結果を見せることや、かかりつけのお医者さんからの「つけっぱなしにすることが大事」というメッセージを文字にし、枕元に貼り付けるなど、視覚で訴えながら、「入り切りを繰り返すよりもつけっぱなしがよい」という事をいろいろな人から繰り返し伝えてもらうのが良いでしょう。つけっぱなしを維持することで、室温も一定に保たれるため熱中症対策としても有効です。また、①でデジタル温度計を設置したことにより、エアコンを消すと室温が上がっていく様子が視覚的にわかるため、「視覚」と「繰り返し伝える」を意識しましょう。

    ③ポジティブに!⇒「エアコンをつけないとダメ」ではなく、「いつまでも元気でいてほしいからエアコンをつけてほしい」と伝える

     伝える人や伝え方も重要です。主治医やケアマネジャーさんやヘルパーさん、お孫さんの言うことは聞く傾向にあります。「エアコンをつけないとダメ」ではなく、「いつまでも元気でいてほしいから、エアコンをつけてほしい」といったポジティブなメッセージを伝えましょう。

    【三菱電機】高齢者にエアコンをつけてもらうための3つの意識改革などを解説

    【ワンポイント】親と離れて暮らしている場合は、「みまもり環境」を整えてあげることもおすすめです。
    親と離れて暮らしている場合は、ケアマネジャーさんや民生委員など、定期的に様子を見てくれるような人と、密に連携をとれるようにしておきましょう。他にも、スマートフォンから室温が確認できるような温度計や、エアコンを使って室温を確認する方法もあります。無理のない方法で、定期的に室内環境を見守ってあげましょう。

     

    【調査概要】

    ■グラフ1~5
    ・調査対象者:東京・大阪在住の40~79歳の男女600名
    ・調査方法:インターネット
    ・調査期間:2022年5月27日(金)~5月31日(火)

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